“家”と“暮らし”をもっとステキに楽しく。
新しい「好き」がきっと見つかるウェブマガジン。
インスタグラム

絶大な支持を集めるショップ「70B」で、古き良きヴィンテージ家具の魅力にせまる

くらし

“住まいづくりに自分らしさをプラスしたい!”という方へ、トレンドの変化が早い今の時代だからこそ知って欲しい、“時代に左右されないデザイン”のヴィンテージインテリアの魅力をご紹介します。
今回は京都の人気ショップ『70B SHOWROOM(セブンティービー ショールーム)』にお邪魔し、ヴィンテージ家具の魅力や、取り入れ方、今おすすめのアイテムについて取材しました。この機会にぜひ素晴らしいヴィンテージの世界に触れてみてください。

『70B SHOWROOM』はこんなお店

今回訪れたのは京都市内で3店舗展開している『70B』の中でも、もっとも大きな規模を誇る『70B SHOWROOM』です。
アンティーク調のおしゃれな正面エントランスから入店して、最初に驚くのは、その豊富なアイテム数。ジャンルもサイズもさまざまなアイテムが所狭しとディスプレイされており、130坪の広々とした店内が、狭く感じてしまうほどの圧倒的な物量です。

さらに、もう一つの驚きが“ヴィンテージ=高い”という概念が覆されるほどのロープライスであること。他店の半額以下で販売されていることはざらで、さらに安く手に入れられるアイテムもちらほら。商品選びはさながらお宝探しのようです。
これほどのアイテム数とロープライスをどうやって実現しているのか、『70B』でバイヤーとして活躍される四方さんにお伺いしました。

「商品量と価格の秘訣は『70B』独自の買い付け方法にあります。一般的なヴィンテージショップの場合、年間の買い付け量は40フィートコンテナ4〜6本ほどですが、『70B』は、年間約50本と膨大な買い付けを行なっています。また他のお店が現地のショップを一つずつ回って買い付けするのに対し、『70B』では特別なルートから一度に大量に商品を買い付けることで、時間と人件費を大幅に抑え、その結果、良い商品をより安く提供できています」

現在はイギリスをメインに、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツ、アメリカの6カ国から買い付け。ここまで幅広く買い付けを行っているお店は全国的にも珍しいそうで、遠方からわざわざ足繁く通うファンがいらっしゃるのも納得です。さらに『70B』の魅力を構成する要素の一つに、徹底した商品メンテナンスがあります。

「どれだけ安くても“使えないものには価値はない”という考えですので、『70B』では本場イギリスで修行を積んだメンテナンスのエキスパートたちの手によって、商品ひとつひとつをしっかりと修復した状態で提供しています。陳列前の修復はもちろん、陳列時についた細かな傷も、お客様が購入された後に再度チェックし、しっかりメンテナンスした状態で納品させていただいているので、安心してご購入いただいております」

現在、3店舗で展開されている『70B』ですが、店舗ごとに特徴があり、SHOWROOMと同じビル内にある『70B WAREHAUSE』には入荷して間もない未修復の商品がずらりと並び、欲しい商品をいち早く購入することができます(購入後の基本メンテナンスはSHOWROOM同様あり)。

また、三条通りにある『70B ANTIQUES(京都市中京区)』は、SHOWROOMと比較すると、雑貨や小物など持ち帰りやすいアイテムが充実しているという特徴があります。『70B』ファンの間では1日で3店舗とも回るというのも珍しくないそうです。

魅力あふれるアイテム満載の店内。コンテナ到着日には、掘り出し物を求めるファンで毎回長蛇の列ができるそうです。

プロに聞く“ヴィンテージ家具の魅力”とは

高級なイメージを持つヴィンテージ家具を安く提供することで、身近な存在にしていきたいと話す四方さんに、ずばり“ヴィンテージ家具の魅力とは何か”をお伺いしました。

「魅力はたくさんありますが、最も大きな魅力はデザイン性です。よくヴィンテージは“時代に左右されない”とか、“普遍的で実用性が高い”といった表現をされるんですが、それもそのはずで、現代の家具のほとんどがヴィンテージ家具をベースに作られているんです。
ヴィンテージ=60年代の家具を指すことが多いのですが、当時は海外で住宅バブルが起きた時期で、新しい住宅に合った家具がどんどん生み出されました。その中でも使えるものを踏襲していった結果が、現代の家具の原型になっているんです。ヴィンテージ家具を現代の部屋に置いてもインテリアとして成立するのは、そういった理由からなんです。“デザインの足し算と引き算がしっかりできていること”がヴィンテージ家具のデザインの魅力ですね。
また、その一方で、挑戦的なデザインの商品が多いのもヴィンテージ家具ならではの特徴です。何しろ家具の定義が定まっていない時代なので、現代では淘汰されてしまったアヴァンギャルドなデザインの商品もヴィンテージ家具には多いんです」

「デザイン以外の魅力としては、家具が持つ付加価値と、二度と再現できない希少性でしょうか。今では簡単に手に入らない材木を使っていたり、存在しない機械を使っていたり、びっくりするほどの手間ひまをかけた加工方法であったりと、お金で換算することは難しいのですが、販売価格以上の価値がヴィンテージ家具にはあるんです。仮に当時10万円の家具を今作ろうと思えば50万円でもきかないかもしれません。
またお金をかけて、よく似たものを作っても、当時と全く同じものを再現することは残念ながらできないんです。そういったこともヴィンテージ家具の価値を高めている理由だと思います」

ヴィンテージ家具が持つ奥深い魅力の一端に触れることができた今、初めてのヴィンテージ家具におすすめのアイテムやジャンルについてもアドバイスについても伺いました。

「答えになっていないかもしれませんが、“ずばりこれ!”っていう特定の商品はないんです。小さい家具なら始めやすいとか、無難なデザインならよい、とかではなくて、実際に現物を見てもらって“あ、これいいな”と感じたものを手に持ってもらうのが一番だと考えています。
お部屋をヴィンテージ家具一式で揃えたいという方も、自分の中で何か基準ができれば後は、あとは自ずと揃っていくものなので、一番最初の直感を大切にしてもらいたいですね。
もし、当店で気になる商品がありましたら、気兼ねなくスタッフに声をおかけいただければ、その家具のバックボーンや、付加価値などについてご説明させていただきます。そこでさらに魅力を感じられたならば、ぜひ購入をご検討いただければと思います。
逆にどれだけ優れたデザインの商品であっても、お客様からお話をお伺いした上で、今のおうちでは扱いにくいサイズであった場合や、小さなお子様がいらっしゃるなど住環境に合わないと考えられる場合には、しっかりと注意喚起させていただきます。家具は人生で何度も買うものではないものなので、後悔だけはして欲しくないと考えています」

値段に踊らされず、自分の感覚を大切にして欲しいと話す四方さん。『70B』にはヴィンテージ家具に造詣が深いスタッフが勢揃いしているので、気になる商品を見つけたら、商品について詳しく聞いてみるのもいいかもしれませんね。

おすすめヴィンテージ家具

ここからは、幅広い層から支持を集める人気のヴィンテージ家具をピックアップしてご紹介します!

【G-PLAN】フレスコ サイドボード

G-plan(ジープラン)は1898年創業のイギリスの老舗ブランドE.Gomme(イーゴム)社が1950年代に発表した家具シリーズです。E.Gomme社が中産階級から上流階級向けに家具を作っていたこともあり、G-planもチーク素材のしっかりとした作りとなっているほか、時代を経ても色褪せないデザインと、細部に遊び心のある造形は、現代の住宅にもぴったりです。
本来は食器などを収納するサイドボードとして使われていましたが、最近ではテレビボードとして利用する方が増えたことで、急速に需要が高まっているそうです。

【G-PLAN】
フレスコ サイドボード

参考価格:¥148,750(税込)

【ERCOL】フープバックチェア

ヴィンテージ家具の定番といればERCOL(アーコール)のチェアは外せません。高い人気を誇るも、誕生からわずか十数年で生産中止になった過去を持ち、後に同商品のデザイン性と耐久性に魅了されたイギリスのファッションデザイナー、マーガレット・ハウエル氏が2004年にERCOLの現社長との共同で復刻させたことで話題になりました。
フープバックチェアはERCOLのチェアの中でも特に人気で、洗練された美しい曲線のデザインはどんなお部屋にも合うこと間違いありません。新品よりぐんと安いヴィンテージ品でも、年々価格が上昇傾向にあるので、興味のある方はお早めにご検討ください!

【ERCOL】
フープバックチェア

参考価格:¥25,750(税込)

【アイビスコ】ダイニングテーブル

イタリアの家具ブランド・アイビスコのダイニングテーブルです。4人掛けから、8人掛けへと変形するデザインは、ユニークながら実用性抜群。流通量が非常に少ないアイテムだそうで、イタリア現地でも購入することは難しく、海外のオークション経由でしか入手できないとってもレアな一品だそうです。また、『70B』でも非常に付加価値の高いアイテムの1つで、もし新品で同じものを作ろうとするとその価格は、10倍はくだらないそうです。

【アイビスコ】
ダイニングテーブル

参考価格:¥58,750(税込)

【Chesterfield】レザーソファ

イギリスの王道ソファChesterfield(チェスターフィールド)の二人掛けレザーソファです。イギリス発祥の伝統的な革張り、鋲打ち、ボタン留めが特長的なデザインで、オックスブラッドのカラーリングと合わせて、オリジナリティあふれる存在感を放っています。
古くから存在するソファですが『70B』では70〜80年代のレザーのコンディションが良いものだけを厳選して仕入れているそうです。使い込むほどに味が出るレザーの質感が好みの方におすすめの一品です。

【Chesterfield】
レザーソファ

参考価格:¥148,500(税込)

デッドストックのヴィンテージ壁紙

壁一面にずらりと並ぶのは美しいテキスタイルが魅力のヴィンテージ壁紙。他店だと1ロール2万円前後の商品も、『70B』なら一律4,850円と非常にお買い得です。これだけの低価格を実現できるのは2,000本以上のデッドストックを一度に仕入れる『70B』ならではの買い付けだからこそ。とはいえ、これほどの壁紙を取り扱うのは同店でも珍しいそうです。
種類も100種類以上あるので、豊富なバリエーションの中から、お気に入りの壁紙がきっと見つかりますよ。

ヴィンテージ壁紙(デッドストック)

参考価格:¥4,850(税込)/1ロール

今回紹介したアイテム以外にも、店舗用の小物入れに使えそうなスタンプトレーや、倉庫で使用されていた工業用照明など、珍しいアイテムや、気になるアイテムが満載。
時代に左右されないヴィンテージ家具とはいえ、ジャンルによっては流行があり、時期によってはなかなか手に入らないものもあるそうなので、気になる商品を見かけたら要チェックです。

ヴィンテージ家具を取り入れた素敵な暮らし

今回はヴィンテージ家具の魅力についてご紹介しました。
本記事を通してヴィンテージ家具に対する概念が変わった、興味を持ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。より良い暮らしのために新たにヴィンテージ家具を取り入れてみたいとお考えの方は、ヴィンテージ家具を身近に感じられる『70B』で、ぜひお気に入りの一品を見つけてください。

SHOP DATA
70B SHOWROOM

京都府京都市南区上鳥羽北戒光町11-2F
https://seventy-b-antiques.com/showroom

電話番号/075-693-7679
営業時間/12:00-19:00
休日/水曜・木曜※その他不定休あり